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注文住宅の断熱材はどう選ぶ?

注文住宅を建てる際、様々な工務店やハウスメーカーが「高断熱の家」をPRしています。しかし、そもそも断熱材がどんなものなのか、なんとなくイメージはできるけど、詳しく知っている人は少ないのではないのでしょうか。

ここでは、断熱材の選び方やその種類についてまとめています。

断熱材の選び方

断熱材と一口にいっても、その形状や性能など様々な種類のものがあります。どの素材にもメリットもデメリットがあり、学べば学ぶほどどれを選んでいいかわからないという人もいるでしょう。ですからここでは、選ぶうえでの2つのポイントに着目しました。

断熱性能で選ぶ

断熱性能で選ぶ場合、熱伝導率が低いものを選びます。もう少し簡単に言えば、「熱を通しにくいかどうか」ということ。

ポリエステル系の素材のものが断熱性は優れていますが、しかし防音性や防火性には劣るというデメリットもあります。

また、理論上は断熱材を重ねて分厚くすればその分熱伝導率は低くなりますが、施工業者の技術でも結果は変わってしまいます。新築の場合はまっさらなところに断熱材を入れていくので大きくは違いが出ませんが、場合によっては手技が必要なので、やはり技術が問われます。しかし業者によっておすすめしている断熱材が違うので、その業者が得意とする断熱材を選ぶか、。相談したうえで選択しましょう。

コストで選ぶ

断熱材を入れる際のコストは、断熱材自体の価格と、施工費の二つがかかります。施工費は「施工のしやすさ」によって変わります。

一般的に広く流通している断熱材の代表にグラスウールがあります。他素材として希少性の高いセルロースファイバーという断熱材はグラスウールと比べると最大4倍ほどのコストがかかることもあります。このように、素材が一つ変わるだけでコストが大きく変わるのです。

業者によって使用している断熱材が決まっていることが多いので、使いたい素材のものがある場合はいくつかの業者に相談をしてみるといいでしょう。

断熱材を選ぶ際に気を付けること

断熱材は素材別に特徴があります。それぞれメリットデメリットがあるので、折角断熱材を入れたのにあまりあたたかくない…などということにならないように、家の形状やその土地に合うかどうかなどを加味して選ぶ必要があります。

繊維系の断熱材

細かい繊維上の素材で出来ている繊維系の断熱材は、その隙間に空気を閉じ込めて断熱効果を得ていますが、水分を吸ってしまうと断熱効果が失われてしまいます。湿気が大敵となるので、防水シートなどで湿気対策を行い、断熱性を保ちます。

木質繊維系の断熱材

繊維系断熱材のもう一つの系統、木質繊維系の断熱材は自然素材特有のメリットがあり人気の素材ですが、断熱材自体の沈下が発生しやすく、隙間ができてしまう可能性があります。それがないよう専用のシートを貼り付けて通気層を設置して、正しい施工をすることで、沈下を防ぐことができます。

発砲プラスチック系の断熱材

断熱性に優れ施工もしやすいことで人気の断熱材ですが、厚みが均一でなくなったり、湿気が入り込んで冬場の結露の原因となってしまうこともあります。設計段階で通気層を設けることで解決できることなので、設計時に通気層の有無を業者と確認すると良いでしょう。

断熱材の種類

さて、断熱材には大まかに「繊維系」「木質繊維系」「発泡プラスチック系」があることを先に述べましたが、断熱材はここからさらに様々な種類に別れていきます。以下ではそれを紹介していきます。参考にしてみてください。

グラスウール(無機繊維系)

その名の通り、ガラスを細い繊維状に加工した断熱材です。ガラスで出来ているため燃えにくく、また吸音性にも優れていますが、湿気に弱いため、防湿対策や結露対策をしなければなりません。

主な施工場所は壁や天井、床などで、価格も安価です。

ロックウール(無機繊維系)

こちらも名前そのまま、玄武石や天然岩石を原料に作られる岩綿のことです。高温で処理されているほど熱に強く、燃えにくい素材で、防音効果、また撥水性も高いです。しかしやはり湿気に弱いため、その対策が必要です。

セルロースファイバー/セルローズファイバー(木質繊維系)

新聞などの古紙や段ボール、おがくずなどをリサイクルしたものに、耐熱、撥水加工を施し、さらに防虫効果も高められた素材です。高い気密性や、防音性があり、素材自体が吸放湿性を持っているので大変人気ですが、その分価格が高いこと、扱える業者が限られます。

ウールブレス(天然素材系)

こちらも書いてそのまま、羊の毛を原料にし、人体に優しい防虫処理を施された素材です。高い超室力と断熱性が人気で、耐久性にも優れており、先述した防虫効果は半永久的だともいわれています。が、価格が高いこと、また新しい素材であるため、扱える業者を探すのに骨が折れるかもしれません。

炭化コルク(天然素材系)

ワインコルクやボードなどの様々な加工や製造過程で出たコルクの端材を炭化させて作られる素材です。空気をたくさん含んでいて、断熱性だけでなく、調湿力、吸音力にも優れており、さらにコルクの樫には防虫効果が備わっていて、ダニなどの虫も寄せ付けません。自然には優しい素材ですが、大量にはなかなかできないため、価格は高くなります。

ビーズ法ポリスチレンフォーム(発泡プラスチック系)

発砲スチロールと同じ素材でできている断熱材です。発泡スチロールを想像するとわかるように、撥水性に優れ、軽く、熱さや長さなど自由に成型ができるため、施工も簡単です。ただし熱に弱く、また発砲プラスチック系では安価ですが無機繊維系に比べると割高になります。

押出法ポリスチレンフォーム(発泡プラスチック系)

ビーズ法ポリスチレンフォームとほぼ同じ素材ですが、発砲させながら押し出し、固い板状にした断熱素材です。ビーズ法よりもプラスチックの粒が小さいため、薄くても断熱性が高いです。ビーズ法と同様、撥水性に優れていますが熱に弱い素材です。

硬質ウレタンフォーム(発泡プラスチック系)

ポリウレタンの樹脂に発泡剤を加えた素材で、ボード状の素材と、また施工箇所に直接吹き付けられたりもします。優れた断熱性が魅力ですが、その分高価で、また万一燃えた場合、有毒なガスが発生する可能性も。ただし、建物に火災が発生するときには、断熱材の他にも有毒な成分を発する恐れのあるものがあるため、気にしなくてもいいという人もいます。

フェノールフォーム(発泡プラスチック系)

フェノール樹脂に発泡剤、硬化剤などを混ぜて成型した断熱材です。耐火性に優れ、また万一燃えても有毒物質がほとんど出ないといわれています。グラスウールの上にフェノールフォームをかぶせるダブル断熱という方法もありますが、フェノールフォーム自体が断熱材としては高価なこと、さらにグラスウール分のコストもかかるため、お財布に優しくはありません。

まとめ

ここまで様々な断熱材を紹介してきましたが、それぞれにメリット、デメリットがあり、正直ここまで目を通してもらっても、これだ!と思う断熱材は決めきれないのではないでしょうか。ただし、使用する地域に合うものや、家の形状に合うもの、業者が使えるもの、使えないもの、コストなど条件もあるため、おのずと素材は絞られてくるでしょう。

いくつかの業者に相談し、自分たち家族の家にはどれが一番合う断熱材なのかアドバイスしてもらい、自分たちが一番納得できる業者に施工してもらいましょう。

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